中米グアテマラで、日本食レストラン&カフェを営むArbol Coffee 代表の押野さん。異国の地オープンしたレストランはオープン当初から順調に成長していったものの、一定期間を過ぎ、集客と売上の伸び悩みに直面していました。

そんな中、Webマーケティングやデジタルの力を使って店舗売上を向上させるために立ち上がったのが今回のプロジェクト。本記事では、代表の押野さんと、マーケティング支援をおこなった当社代表の新井による、リアルな取り組みの裏側に迫ります。

自己紹介

Arbol Coffee Guatemala 代表 押野浩明

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大学卒業後、青年海外協力隊にて2年間ニカラグアでのボランティアを経験。

その後、JAICA Assesor en formulacion de proyecto(企画調査員)として、グアテマラにて「貧困層の格差問題是正に向けたプロジェクトのプロジェクトマネジャーとして」3年間従事。任期終了後の2021年より、グアテマラのアンティグアにてArbol Coffeeを起業。

「コーヒーで世界をつなぐ」というビジョンのもと、現在は、カフェ・ロースター・ドライミルの運営、コーヒー豆や日本製品の輸出入、インポーターと生産者とのダイレクトトレードのコーディネートなど、ラテンアメリカで日本と海外をつなぐ様々な事業を展開。

MarvelWorks inc. 代表 新井拓実

大学時にカナダやイギリスなど1年半の留学を経験。
帰国後、長期インターンを開始し卒業まで約1年半勤務。最終年は年間300件以上の新規ユーザーを開拓しMVP。Rakutenなど大手企業から複数内定を獲得したが150人のベンチャー企業へ就職。1年で退職し、当時2名のスタートアップに転職。3年間で“10名・売上20億”までグロース。2024年3月に退職し、起業。現在は、海外で事業展開をすべく、アメリカ大陸を中心に海外で生活。

【最強カルチャー】10年の海外駐在で感じた”ラテンアメリカのポテンシャル”と”日本文化の素晴らしさ”

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まず初めに、海外で事業を始めたきっかけについて教えて下さい!
「日本の良いものを、もっと自然なかたちで海外の日常に届けたい」── そんな想いが、グアテマラで事業を展開し始めた原点でした。
カフェの運営、ロースターやドライミルの整備、コーヒー豆のダイレクトトレード、日本製品の輸出入…。どの取り組みも、“日本とラテンアメリカの間にある距離”を少しでも縮めたいという思いから始まっています。

その中でも、より日常の中で日本を感じてもらえる手段として選んだのが、日本食レストランでした。現地にはまだ和食文化が浸透しきっていないと感じていたからこそ、「日本の味をもっと身近に、気軽に楽しめる場所をつくろう」と漠然と思っていて、特に深くは考えずまずはチャレンジしてみようという気持ちでスタートしました。

実際に事業を始めてみて、日本とラテンアメリカ(グアテマラ)の違いはどこに感じましたか?

正直全てが違います(笑)
例えば、「食」に対する価値観は全然違いますよね。日本だと“本物志向”が強くて、見た目の美しさや細かい味の違いが重視されます。一方でグアテマラではボリューム感や手軽さの方が重視されがちなんです。


あとは、情報の集め方ですね。日本では「食べログ」や「Instagram」で新しいお店を探すのが当たり前ですが、こちらではGoogleマップや口コミの影響力が圧倒的に強いと実感しました。

そのため、開店当初は、和食が珍しいこともあり多くの方に来ていただけていたのですが、時間が経つと次第に新規の来店が減り、「どうすればもっと多くの人に知ってもらえるのか」という課題に直面しました。

自分なりにSNSやデジタルの部分も工夫しながら運用していたつもりでしたが、なかなか反応に結びつかず、「良い料理を出しているのに、なぜ伝わらないんだろう」と歯がゆさを感じていました。

店舗の課題として最も大きかった部分でいくとどんなポイントですか?

いちばん大きかったのは「新規のお客さんに知ってもらえない」ことですかね。店の味や雰囲気には自信があったので、リピート率は高いんです。でも、それ以上に新しく来てくれる人が増えない。
SNSも少しずつやってはいたんですが、「見つけてもらえない」ことが大きな壁でした。現地の人たちはどこで情報を得て、どうやってお店を選んでいるのかが分からず、マーケティングの重要性を痛感しました。

【ゼロから見直した“届け方”】ユーザーニーズをベースにしたマーケティング戦略

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そんな中、今回のPJでは課題に対してどのようなマーケティング戦略を企画し実施していったのでしょうか?

大きく分けて「新規集客」と「LTV(リピート・単価アップ)」の2軸でマーケティング施策を設計し、実行していきました。

まず最初は、新規集客の顕在層をターゲットとし、日本食やアジア料理を探しているユーザーに対して、同一ジャンルのレストランと比較されたときに負けないための、レビュー施策を実施しました。具体的には、店舗内にレビューを書いてもらうための導線設計、オペレーション改善、ディスカウントのプロモーションなどを実行しました。

口コミ施策は効果が現れるまで比較的時間がかかるため、最重要施策として温度感を高めて実行していきました。結果的には3ヶ月も立たないうちに目に見えて効果がではじめ、現在は口コミ経由での集客が徐々に増えている状況です。

次に、新規集客の潜在層をターゲットとし、GoogleやGoogle mapでのレストラン検索で露出できるようにMEO施策と各種WEB媒体への露出を強化していきました。元々、「Comida de japones」や「Japanese Restaurant」などのメインKWでも表示順位がそこで高くなかったのですが、対策もあり主要KWでは上位表示。現在は、RestaurantなどのビックKWでの露出もできるように対策を進めている状況です。

最後に、LTV施策として、新メニューの企画や店舗レイアウトの改善、メニュー構成の変更などを実施しました。これまで、メインプレートのみで提供をしていたものをアピタイザーとして提供することでクロスセルが可能に。スモールポーションでの提供によりテイクアウトなどの発注も増え顧客単価がUPしました。

今回、トータルで30を超えるマーケティング施策を実行しましたが、最もインパクトがあった施策はなんですか?

正直なところ、やったことはすごく地道な作業ばかりなんですが、確実に効果はありました。


たとえば、Googleマップではまず、言語ごとの検索ボリュームと人種ごとの顧客単価を割り出し「店舗名を英語表記に統一」したり、「営業時間を正確に直す」といった基本から見直しました。

そのうえで、視認性の高い店舗外観写真と、料理写真を新たに撮り直して登録し直したんです。
加えて、来店したお客様にレビュー投稿を自然に促す導線(QRコードの設置など)を店内に設けたことで、口コミ数も少しずつ積み上がっていきいまでは大きなインパクトをもたらしています。

全体的に「見つけやすく」「分かりやすく」「すぐ動ける」状態をつくっていったのがポイントですね。数字で見ると、Google検索経由のアクセスが2倍以上に増え、顧客単価も月次ベースで毎月伸びている状況です!

【点を面に】日本と海外をつなぐ事業展開、その先に見据える未来とは

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今回の取り組みを通じて得られた気づきや、今後の事業展開について教えてください。

今回の取り組みを通じて実感しているのは、やっぱり「ちゃんと届ける仕組み」を持つことの重要性です。


どれだけ良い商品やサービスがあっても、そこに気づいてもらえなければ存在しないのと同じ。言い換えれば、“伝わらない良さ”は、ないのと同じなんですよね。

だからこそ今後は、このプロジェクトで得た知見や感覚を活かしながら、別エリアでの出店やデリバリー専用ブランドの立ち上げを進めていきたいと考えています。
実は、すでに中米近隣国での出店構想も動き出していて、単なる「店舗拡大」ではなく、現地に根付いた“文化としての和食”をどう広げられるかを軸に事業展開をしていきたいんです。

また、オンラインショップや定期配送の仕組みを通して、ラテンアメリカ全体の家庭に“自然に日本の味がある状態”をつくることにも挑戦していきます。
食だけでなく、日本の雑貨や道具、暮らしの知恵や体験といった「日常の中の日本文化」を、ローカルのライフスタイルにどう溶け込ませていけるか。これは自分にとってライフワークに近いテーマでもあります。

今後は「グアテマラの一店舗」ではなく、“日本とラテンアメリカをつなぐハブ”として、広域に価値を届けられる事業体にしていくのが目標です。

海外で挑戦したい人、店舗ビジネスを持っている方に向けて伝えたいことはありますか?

やってみないと分からないことだらけですが、ひとつ言えるのは「海外だから難しい」と決めつける必要はないということ。特に、若い人は失敗しても大丈夫なので、どんどん海外で挑戦して欲しいなと個人的に思っています。


今回のように、マーケティングの“型”を現地向けにローカライズするだけでも、驚くほど結果は変わると実感しています。


日本人としての強みと現地のニーズをうまく掛け合わせれば、まだまだ挑戦の余地はあると思います!!

あなたの事業も、“見つけられる存在”に。海外ビジネスの“次の一手”を、一緒に考えてみませんか?

今回のプロジェクトは、特別なツールや広告予算ではなく、現地市場に合った丁寧な設計と実行によって短期間で成果を上げることができました。


海外展開中の店舗、海外でのローカライズで苦戦している事業、これから海外に挑戦したい企業…。どんなフェーズでもユーザーニーズをベースに「届け方」を見直すだけで、全く違う結果に結びつきます。

「海外展開や現地の販路開拓に興味がある」「今のお店の集客をもっと仕組み化したい」
そんな方は、まずはお気軽にご相談ください。

私たちは、現地のマーケットに根ざした“マーケティング戦略”をともに貴社の成長戦略を設計していきます。

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